こたつムービー

四月になれば彼女はのこたつムービーのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
-
これもいやー、まさか自分がそれも映画館で見るなんて、という門外漢バリバリな感じだが「いやコレっしょ!」とばかりに観た。で、感想は!


「たぶんすぐ忘れそう」


観たそばから忘れてるから。それとセカチューの足下にも及んでないね。(なおアレは四国・80s・高校生・台風と何重にも覆った「魔法陣」を周到に用意してメロを発動させてるからなあ。それくらいセットアップは難しいものなんだよね)

佐藤健ファンには申し訳ないが、ピッタリな役だと感じた。それは主人公が「植物的」だし普通っぽいから。ケッコンを前に逃げ出される感じが「ぽい」(ごめんよ)。妹は見抜いてるよね、その意味で。

たぶんコレ観た人の多くが指摘するんだと思うが、森七菜の役がよくわからん。
まずどこ目指したかもよくわからんが(なに、周遊チケット?まずはペルー行きのみ?そのへんどうだったっけか)とにかく航空券(←絶対高額)


ドタキャンは無しだろ!


・・の上に、例の時間差レター攻撃でしょ? よくわからんし映画で肝心な「共感」をまるで失ってる。もっと言えば「ヤバい子」だろ。

長澤まさみも「ヤバい」のだが、こっちのメンタルクライシスはわからなくもない。幸せから逃げる、とか、結婚と惰性、擦れてゆく愛情についての映画なら「お、それ押しならモダンでいいぞ」と感心もするが、途中からどうやらそうでもない。そのモチーフには向かわず、やっぱセカチューがやりたいんだな、になるので残念というかね。
長澤まさみも「幸せから逃げる」までは共感のしようもあるが森七菜を追うとこが、もう、ヲイ!ってかんじ。わからないを通り越し「難解」までゆくね、この映画は。それか、


ホラー


として捉えるといいかもしれない。
植物的な、はっきりしない主人公と相まって中盤以降物語は急速に推進力を失い、森七菜の役に決定的なエラーがあるからウユニ塩湖・アイスランド・プラハも「へー。きれいですね」と無感動に環境映像を眺める次第。
もうラスト海岸のシーンに至っては思わず声を出して笑ってしまったよ、「ここより永遠に」すぎて。そのサンプリングの古さに思わず笑った。

森七菜の病気ってなに? なんだったの?
死ぬための死はよろしくありません。


一番のハイライトは冒頭だろう。
遅れて入ってきたオレがコーラとポップコーン🍿の文字通り「全て」を暗がりにぶちまけた、あのスローモーションのシーンのことだ。

あれは辛く、本当に胸に迫った。まだ一粒も、一口もしてないのだから、もー。