すごくNHKのドラマっぽい、と観た後本作を調べるに本当に特別ドラマだった。本作の凄さって、
これが完全オリジナル脚本
ってことだと思う。原作はなく（その後ノベライズなどあるが順序は本作ありき）、このことに何より驚嘆する。で、ここにも濱口竜介の名が・・（やーい、この人才能で掻き回してんなーオイ）。
撮り方、演じ方がスーパークラシック。
蒼井優はちょっと凄すぎる、田中絹代かと思った。黒沢清の「ぜったい切り返してやるもんか」という強い意志のもと（未確認）マスターショットで押し切るスタイルが格調高いし面白い。
聡子の最終的な置き所「戦中の幽閉」に賛否はあろうが（実際オレもむむ？はあるけどさ）、ホントヨーロピアンクラシックが通底している作品。「お見事！」で卒倒するクライマックスなんてモロ初期ベルトルッチの影響を看た。テレビドラマっぽさに隠れぎみだが、それこそドラマ的予算も加味してあげるべき一品でもあり、オリジナル脚本、日本離れしたスタイルともに総じてレベル高く感心した。
