チッコーネ

彼女と彼たち〜なぜ、いけないの〜のチッコーネのレビュー・感想・評価

3.0
スリーサムものが途中からフォーサムになる。
異性愛、同性愛、そして近親相姦まで何でもありの不思議家族物語で、若者が中心とはなっているが、熟年キャラも登場して愛の空気に巻き込まれていく。
風変わりだが淡々として、オーバードラマティックにならない作風だった。

驚くのは、これが70年代後半の作品であること。
アメリカや日本のゲイ映画が、当事者の問題から『新しい家族の在り方への模索』へテーマを広げたのは2000年代なので、20年以上早い。
そう考えると、ナチュラルな作風がより先鋭的に観えてくる。
「さすがフランス…」と唸った。