ピッツア橋本

リバー・ランズ・スルー・イットのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

4.4
“あの川が俺たちに見せた景色は何だったんだろうな。美しき弟よ、お前はいま何を想う?”

1900年代前半のモンタナ州の田舎。ある牧師の元に生まれた真面目で奥手な兄とヤンチャで色気のある弟の半生を描いた家族友情ドラマ。スモールヴィレッジ映画ともいえる。

ブラッドピット演じるヤンチャで美しい、男の色気凄まじい弟の迫力が素晴らしい。爽やかでセクシーゆえに怖さがある。彼の出世作と言われるだけのことはある。

一貫してストーリーの中心を流れる川の存在が雄大で優しい。
そこで釣りを交えながら織り成される家族や兄弟の会話、エピソードが素朴なのだけれど味わい深く色鮮やかに映る。

冒頭とラストの語りが詩的かつ、確かな人生のダイアリーなのだと気づいた時、自然と涙がこぼれた。

自分も川が家の外を流れる田舎に住んでいて、不思議な同期があったのもまた本作への好感を上げている。
ファーストカットのあの濁ったような済んだような川面にすごくリアリティがあった。

どんな川でも太陽を浴びれば美しく反射するが、実際の水質はそこを泳ぐ魚しかわからない。

そのエッセンスが自然と広がっている最上級のリバームービー(自分の造語)だと感じた。
ピッツア橋本

ピッツア橋本