70年代初めのヒット映画「フレンチコネクション」や「ダーティハリー」のあきらかな影響なんですが
昭和の頃のTV刑事ドラマでは、取り調べでの暴力や恫喝は当たり前、時には自ら法をも無視するように悪をただひたすらに憎み犯人を追い詰める、そんな鬼刑事がいっぱい出てきます。
そんな昭和からタイムスリップしたような、刑事一筋30年のコンプライアンスもあったもんじゃない鬼刑事(阿部寛)が、やっかいばらいとばかりに突然「警察音楽隊」に移動されてしまう。
「どうして俺が?」
激しい失意の中、やる気ゼロで音楽隊に入隊する鬼刑事であったが、
音楽隊のメンバー達や周りの人々も、様々な事情を抱えて活動している事を知って、主人公は徐々に変わって行く・・・
会社や組織の違いはあれども、合計20年以上営業職で、それなりの実績や結果を残してきたと思っていた私
50歳になろうかという時に、突然製造現場への移動を経験した事のある私には他人事と思えないような内容の作品でした。
観ていると嫌でもあの頃の自分を思い出してしまいます💦
作品としては少し作りが甘いかな?と思う突っ込みどころも多い作品ですが、鬼刑事が徐々に変わり人間的に成長していくのは観ていてとても気持ち良かったし共感できました。
私の事になりますが、移動を命じられた時は大変なショックでしたし、今までの自分をまったく否定されてしまったような気持ちでした。
「そんな会社止めてしまえ!」
「止めるんだろ?これからどうするんだ?」
同僚や取引先等、まわりの沢山の人達にいろんな事を言われました、嘲笑するような声もありました
でも中には製造現場では全くのド素人だった私を助けてくれた人達もいて、結局私は定年まで移動先の部署を勤め上げる事ができました(雇用延長はしませんでしたが)
人生いろいろです。
人生に成功も失敗も、ないのかもしれません。
その時々を真摯に向き合って生きる事こそ大切なんだ。
そんな風に今は思っています。
私は鬼刑事ではなくただのサラリーマンでしたが(笑)改めてそんな事を考えさせてくれる作品でした。