映画大好きそーやさん

ARGYLLE/アーガイルの映画大好きそーやさんのレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
3.7
裏切りとケレン味に満ち溢れた、スナックスパイアクション!
本作は人気スパイ小説『アーガイル』を手掛ける作家エリー・コンウェイ(ブライス・ダラス・ハワード)が、スパイを自称するエイダン(サム・ロックウェル)と出会ったことでスパイ組織の大騒動に巻き込まれるお話です。
実はキングスマンシリーズも『キック・アス』も観られていない、マシュー・ヴォーン初心者な状態で鑑賞したのですが、軽いノリの中に幾重にもツイストが張り巡らされていて、片時も飽きさせない作劇に驚かされました。
徐々に主人公の正体や過去が明らかになっていく展開は、小出しにされるからこそ物語の着地への期待が高まり、観客も予想を捗らせながら本作を観たのではないでしょうか?
アクションシークエンスはどれも素晴らしく、観客の観たいものが提供されるのみならず、観客の想像を遥かに超えるアクションシークエンスも用意されていて、最高に興奮しました。
誰もが言及していることでしょうが、終盤の発煙筒シークエンスと原油シークエンスは、視覚的、映像的快楽や漫画的なケレン味が限界突破していて、もう少し長ければ劇場で歓声を上げてしまうところでした。それほど高水準で、気持ちのいいシークエンスでした!
ただ、二転三転するストーリーは完全悪ではないものの、どうしても裏切りが前提に展開されている感覚もあって、途中でもういいよと思ってしまう時もありました。
またその延長線上で、エリーの立場がコロコロ変わるのも頂けず、制作陣の都合で敵味方を渡り歩いているようにしか見えませんでした。
奇しくも、スコアが同じである『ストリートダンサー』と似通った鑑賞後感となってしまいました。(かなり似た内容を書いているかと思いますので、良ければチャックしてみて下さい)
最後になりますが、ポストクレジットはマシュー・ヴォーンユニバースでも作ろうとしている暗示でしょうか?
この際ですから、手を付けられていなかったキングスマンシリーズも少しずつ観ていこうと思います。
ユニバース化されるなら、もちろん劇場に足を運ばせて頂くつもりです。
総じて、軽くサクッと観られるスパイアクションものでありつつ、いい意味でも悪い意味でも裏切りとケレン味が強調された作品でした!