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ヴォイス・オブ・ラブのmityのレビュー・感想・評価

ヴォイス・オブ・ラブ(2020年製作の映画)
3.5
セリーヌ・ディオンさんの半生を映画化した本作。本人に敬意を表するため、役名をアリーヌに変更して描かれていることからも、これまでのスターの半生を描いた映画とはちょっと違っていて、ネガティブなシーンはなく、アリーヌの恋愛や家族をメインに、周囲との絆が描かれていたと思う。

ギィ=クロードに恋をしたアリーヌの想いを否定するお母さんや、ギィ=クロード自身がちょっと距離を置いたりと、26歳差が招く恋愛の困難さはあったものの、最期まで互いを愛し抜いたアリーヌとギィ=クロード。結婚式での誓いの言葉通りのようなふたりが築いた家庭も、幼いアリーヌの才能を信じ支え続けたアリーヌの家族も、どちらもアリーヌの帰る場所になっていたし、心許せる友人も居て、アリーヌは素敵な人達に巡り会っているなと思った。ステージに上がり続けながら、子どもとの時間も確保し続けるあのタフさは凄かった。

ただ、やっぱり舞台と映像は違うというのを改めて思ったというか。空間も時間も固定された中で、想像力を駆使して観ることが前提のような舞台だから、大人が子どもを演じていたとしても観られるけれど、映像だと違和感しかなくて。26歳差も感じづらかったなぁ。流石に12歳は厳しかったから、せめて子ども時代は子どもに演じて欲しかった。

アリーヌが大人になるまで、今何歳なんだろう?っていう疑問がつきまとってしょうがなかったけれど、映画自体はライトな作品で観やすく仕上がっていたかなと思う。


#2_2022
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