何だろう。この大丈夫、福山雅治が何とかしてくれるという感覚。序盤にえげつない悲劇が描かれて重たい気持ちになったが、それも全て被害者のために真相を解明していくカタルシスを得られるからだと思い、期待して観ていた。
書籍と違い映像は描く場面を選び、それでいて必要な場面を焦点かしなくてはいけない。単なる要約とは違う作業だ。だからこそ証拠となるものはしっかりと映像で示さないといけない。だからこそ少しでも不自然な映像とかがあれば全て仮説をたてるための根拠になっていくのだろうなぁと思ってみていた。
いや、正直真相は時間は取り戻せないものの、そのなかで何とか救いのあるものだった。そういう結末にするために役割や真相を複雑にしすぎた感はある。そんなに都合よくいくものか。
それでもやっぱり湯川だからこそ活躍できるトリックがあり、沈黙のパレードというタイトルが秀逸であったりと、かなり楽しめた。
湯川の癖の強い物理学者でありながら人情味があるところや、被疑者を追い詰めながらも少し苦悩する感も毎度のことながら良かった。
そして主人公は草薙でした。結局のところこの結末は草薙の心がほんの少しでも救われるための結末なのではとも思う。
例のテーマ曲はあくまでも湯川が物理的にトリックを暴いた場面で流れた。いやぁその後は使われないのも分かる。事件そのものの真相を暴いたところでやっぱり晴れやかな気持ちにはならんよな。
敢えて言えば最後のスタッフロールで流せるような爽快感が残る作品が見たい。(既にあるのかな。)
観て良かったです。