映画の隅々までモヤモヤが詰まっている映画だった。出てくる登場人物全員に、何かしらの苛立ちを感じていたような気がする。
息をするように「結婚は？」と聞いてくる人にとっては、結婚＝幸せで方程式が出来上がっているのだろうし、結婚も選択肢のひとつという考え方はないのだろうなと思う。エッセイを書いた時のまみはきっと、その固定観念をおかしいと思っていただろうに、焦りや不安に覆われて結婚を逃げ道にし始めて。そこからの軌道修正はなかなか痛みを伴うものだったけれど、まみにとって大切なことに気付くのに必要なことでもあったのだと思うし、まみの腹括った闘い方は、格好良かった。
まみのエッセイを心の拠り所にしていたからこそ、まみの変化が許せなかった由紀乃も、あっけらかんとパパ活を公言している美穂も、まあバグを起こしていたなと思う。自分の言動のチグハグさに目を瞑れば瞑るほどその反動は大きくなって自分に返ってくるんだと、観させてもらった感じがした。
この映画、エンドロール後に舞台のアフタートークのような特典映像があって、ちょっと驚いた。主要キャスト陣と監督がそれぞれに質問し合う内容になっていて、映画の中身とは全然関係なかったけれど(笑)、楽しく拝見した。映画の余韻に浸ることは出来ないから映画にもよると思うけれど、こういう試みも面白いなと思った。
#133_2021
