あのブルックリン・プリンス（『フロリダ・プロジェクト』の！）をキャスティングしているのだからと、そこに期待してしまった方も絶対いたはず。わたしは彼女が孤軍奮闘するサバイバルものでありますようにと熱い期待を込めて鑑賞を始めてしまったので、残念ながらほぼ面白いとは思えなかった（どちらかと言えばソフィア・ブテラ目当てで鑑賞された方が多かったようだけど、同じく撃沈したもよう）。もったいない、もったいない！せっかくの素晴らしい子役（少し成長していて『お引越し』の頃の田畑智子と重なって見えた）と、これだけの舞台を用意しておいて、もったいない！始まって数分は傑作のにおいプンプンしてたのに、それ以降はプンともスンともダメでした。ほとんど監督の作ろうとするものに共感できなかった。アウトだった。まだそんなものを描きたいのかと。あれでは観てるこちらの絶望と登場人物たちのそれとどっこいどっこいよ。別に意味がわからなくても、酷い人間が出て来ようと、それはそれで全然良いと思うし、世界観勝負をしてくる作品は全力で支持するつもり。ただ本当、そこに監督の愛はあるんかと問いたくなった。
