「スワンソング」とは 死ぬ間際の白鳥は最も美しい声で歌うという伝説から生まれた言葉。
つまり 人が亡くなる直前に人生で最高の作品を残す事。
このタイトル とっても素敵。
実在の人物パトリック・ピッツェンバーガーをモデルに
ヘアメイクドレッサーにしてドラァグクイーンであった人物をウド・キアが演じる。
今は引退して老人ホームで暮らしているパットに
昔の親友であり顧客であったリタから
死化粧を是非パトリックにと依頼が入り
久しぶりに故郷に帰り 人生を振り返るというもの。
リュックを背負って 自分の足で街を歩き
上下スウェットから 徐々にかつての煌びやかさなファッションを取り戻していく。
ホームでは失われていた 女性らしい仕草も戻ってきてね。
過去にパートナーをHIVで亡くして
ゲイであるから彼の葬儀に参列しなかったリタ。
その影響で 彼女と疎遠になってしまう。
あの頃のエイズやゲイである事は とても生き辛かったのかもしれないね。
子育てをするゲイカップルを目の当たりにしたり
かつて働いていたゲイバーが明日閉店する事も知り
街の時代の変化を見届ける事もできたこの旅。
リタからの詫び状でもあるかのような依頼により
過去のしこりを取り除く事ができて
「スワンソング」として輝きを取り戻したパット。
道路の真ん中を悠々と車椅子に乗り走行するシーンが 心に残ります。
終活ロードムービーですね。
お世話になった方々に会いに行き
あの頃言えなかった言葉をかけたり
思い出深い場所を訪れて懐かしんだり
わたしもあの歳になったらしてみたいと思いました。
それには足腰は丈夫でないといけないね。
