Leaf

スワンソングのLeafのネタバレレビュー・内容・結末

スワンソング(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

週末駆け込み上映会。
そんなに出演作品を観ているわけでは無いけれど、ラース・フォントリアー作品によく出ていて、名脇役なイメージのウド・キアが主演。こういう触れ込みは個人的に気になってしまいます。

ヘアメイクドレッサーとして現役を退き、老人ホームで暮らす。そんなある日かつての顧客から死化粧の依頼が舞い込む...

特に序盤から中盤、セリフで説明してしまえばそれまでのところを、おそらく意図的にセリフを減らして場面と動作で主人公の人となりを想像させてくれるところが好きだった。ここに関しては、語らずとも説得力を持たせることが出来るウド・キアの力がかなり大きいと思う。すごく頑固で手グセ悪すぎるのに、チャーミングな部分が残るキャラクター像が作り上げられてて素晴らしい。
正直、あのほとんど動けないおばあちゃんにタバコをあげて、髪をセットしてあげるところが一番ウルッときた🥲

病院を抜け出してからはその人となりを型取りつつ、あくまで自身の過去の精算(気持ちの整理)と時代の移り変わりに目を向ける。過去を知っている人じゃなくても、新しい関係は築けるし、世の中捨てたもんじゃないねって印象があるのは個人的には良かった。
家の土地を買った夫婦とゲイバーのパーティーは特に好き。

最終盤、これまで決して映らなかったかつて確かに存在していたであろう故人の為のメイクアップ。直前の許す/許さない、友達だったかどうかの完璧なアンサーとして表現されてたと思う。
それで、これは完全に個人の好みの問題だけど、そういう言葉にしない部分で説得力があるのが好きだったものだから、ご都合的に感じてしまった突然の息子の告白と、別に死んでしまうのは良いんだけど、絶対死んだやん!と分かりすぎてしまう部分に少しだけ冷めてしまったのは事実。
ただ、死ぬ点に関しては、印象的に映していたように思う動きやすい運動靴から物理的状態に対応させて、明らかに動きにくいハイヒールに履き物が変わっている演出はとても良かったのでそれをやる上では必要だったか...となかなか難しい🤔

あと、印象的と言えば、ウド・キアの目がめちゃくちゃ綺麗だった。あれはカラコン使っているわけではないのかな?
着替え後の緑の服はそこと対応しているようで、とても好きでした。
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