しょう

THE FIRST SLAM DUNKのしょうのネタバレレビュー・内容・結末

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

原作はかなり前に読了。テレビアニメも全話視聴済み。
つまり、話の流れは分かっているし、山王戦の結論も知っている。なのに目が離せない。そんな2時間だった。

観に行ったタイミングが公開から1ヶ月後ということもあって、本作は宮城が主人公という情報だけは観る前に知っていたが、それ以外はできるだけ復習もインプットもできるだけしないようにした。
そして、それは正解だった。

山王戦と宮城の過去パートという2つの軸。それが小気味よいテンポで入れ替わる。まるで、それ自体が攻防の応酬だ。

細かいところを上げればキリがないが、やはり、クライマックスの魅せ方が凄まじかった。
食い入るように見るとはこのことで、湘北がついに逆転した瞬間、映画館の少し後ろの席のおじさんが吐息とともに「入った」と呟いたのは致し方ないことだろう。だって、自分の心の声と完全にリンクしていたから。
そこから描写はさらに加速する。音が消える瞬間。まさに「間」の妙技。そして、花道のエアー「左手は添えるだけ」。鳥肌が背中を、全身を駆け巡った。

逆転するのは知っていた。最後に勝つのも知っていた。でも、その時の自分は、初めてそこで勝利することを知ったようだった。

見終わった今思うのは、今度はしっかり復習したうえで、もう一度見たいということと、テレビアニメではなく、映画として山王戦が制作されたことへの感謝である。

数十年の時を経て、諦めずに公開までこぎつけたスタッフの皆さま、素敵な試合を見せてくださり、ありがとうございます。
しょう

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