このレビューはネタバレを含みます
◆あらすじ◆
団地で暮らすイーダは姉で自閉症のアナばかり両親が構うので不満を抱えていた。ある日、イーダは団地の公園でベンという少年と出会い、彼の不思議な力を見せてもらう。一方、アナもアイシャという少女と出会い、アイシャとアナの間で意思疎通を行う。イーダ、ベン、アナ、アイシャの4人は友達となり、不思議な力を試して遊ぶ日々が続いたが...。
◆感想◆
幼い少年少女たちの不思議な力の目覚めと、その力がやがて暴走していく様子を描いた作品となっており、子供の頃の無邪気な行動がエスカレートしていく怖さを感じました。
イーダは少し親に構ってもらいたい心情が強く、自閉症で意思疎通や発声ができない姉のアナに嫉妬しているところがあって、反応しないアナの足をつねったり、ガラスの破片を靴の中へ入れて嫌がらせをしたりしており、あまり感情移入できないキャラクターとなっていましたが、まだ幼い少女なので両親からの愛情の不足を感じていることが原因だと思ったので、嫌いにはならなかった。
イーダは不思議な力を持つ少年のベンに出会い、友達になります。最初は落下する軽いモノの軌道を曲げる程度の小さな力でイーダもベンも特に気にしていませんでした。その後、アナがアイシャと出会い、2人が意思疎通できることが分かり、ベン、アナ、アイシャの3人が不思議な力を持つことが分かります。
4人の遊びは人に危害を加えるものでは無かったのですが、ベンの力が強まっていくとともに4人の関係は崩れていきます。子供の無邪気さと言ってしまえばそうなのかもしれませんが、大人たちの預かり知らないところで脅威にさらされていく様子はフィクションと割り切れない怖さがありました。
ラストはそれまでの溜飲が下がるものになっている一方、どこか悲しく感じました。
子供の中でしか通じない会話や行動がとてもリアルで怖さを感じるものがあって面白かったです。
鑑賞日:2025年1月20日
鑑賞方法:U-NEXT