韓国のオールスターキャストによる群像劇。
こういう幸せなオーラが漂う韓国作品は素敵だ。事件や事故など起こりそうにないし安心できる、登場人物たちが過ごすホテル『エムロス』で、それぞれの日常の様子が描かれていく。
登場人物の一人、カン・ハヌルの演じる、恋人にもフラれ人生に挫折している真っ只中で、という最悪の気分を過ごす人物に元気を出してもらおうと従業員たちのささやかな優しさを描き出す描写はクスッとできるし、この暗い状況を真面目に演じるほど喜劇的になっていくところがとても上手い。
この人物を中心にそれぞれの物語が進行し、繋がっていくところも良かった。
こんなに登場人物がいる中で、それぞれの過去や、現在の悩みや葛藤などが描かれ、そんな気持ちに共感できたりと、人の数だけ物語があり、その時は上手く行かない事も年月や時間が解決してくれる事もあるんだと、それぞれの日常を垣間見ることができたし、それぞれの人物の気持ちにそっと寄り添いたくなった。
韓国作品をよく観る人なら誰もが知っている俳優さんたちばかりなので、それぞれの好みの俳優さんの登場シーンは嬉しくなると思う、温かくなれる素敵なヒューマンドラマだった。
この劇場版の登場人物達を深く描いたドラマ版があるらしい。
