“ルーツ”
スペインは内戦で多くの人が命を落としている。
ペネロペ演じる主人公ジャニス。
故郷の町では曽祖父がスペイン内戦に巻き込まれ、その亡骸はどこかに埋葬されているという。ジャニスは人類学者のアルトゥロに発掘調査を相談する。
そして、二人は惹かれ合いジャニスはアルトゥロとの子を妊娠し出産する。
同じ日に、同じ女児を出産し、同じくシングルマザーの未成年のアナがいた。
二人の母親の運命と絆が描かれる。
DNA検査で、産院での新生児の取り違えが発覚する。
そこから始まるジャニスの葛藤。
最愛の娘が実の娘じゃないと知った時、
その娘が本当の母の元に去っていく時、
どうして耐えられるのだろうか。
ルーツを大切にする。真実から目を背けない。
スペイン内戦を通して、監督のペドロ・アルモドバルの思いが伝わってくる。
スペイン内戦の悲劇は過去のものじゃないと言いたいように。
自分のルーツについて、あまり意識してこなかったけど、深く考えてみるきっかけになった。
いつもペドロ・アルモドバルの映像美に釘付けになる。景色もインテリアも服も色を全て計算し尽くしているのだろうな。
それだけでも楽しめるし、相変わらずのペネロペの美しさと合わせて、見る価値ありです。