たま

ペトラ・フォン・カントの苦い涙のたまのレビュー・感想・評価

3.0
古い映画は見ない主義(??)だけど、フランソワ・オゾン監督の「苦い涙」を見たので、ついでに(?)元となった1970年代のこの映画も鑑賞。

登場人物が、男女入れ替わっている事を除けば、ほぼ同様の内容。
その為、ストーリーがどう展開していくのかというドキドキ感は皆無。

まるで舞台劇のようなワンシチュエーション。登場人物はたった6人。
元は戯曲だというのに納得。
「苦い涙」も同様だったけど、こちらの方がより閉塞感があり。

ペトラがほぼ全編喋りっぱなし。
成功者でありながらも、権力を振りかざす感じはなく、どちらかと言うとペトラ自身の心の問題。孤独に苛まれているというのが、会話の中からも想像にかたくない。
若く美しいカーリンに、恋をしたというより、孤独を回避するために独占したかったように感じた。

少ない登場人物の中で、アシスタントのマルレーネの存在がひときわ際立った。
表情や動作のひとつひとつに、このストーリーに深みを与えているようだった。

ある意味、彼女がこの映画の主役だったのでは。

余計なことですが、いくらワンシチュエーションとはいえ、ベッドの上でお茶したり、食べたりするのは、やめて〜と思ってしまった。
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