モリコーネにショスタコーヴィチが憑依したかのような劇伴に、昭和のオッサンはめちゃくちゃテンション上がったんだけど、何か思てたんと違いました。
邦題が安っぽくて品がないのはさておき、最後まで誰が主役で、どいつに感情移入すればいいのか分からないまま、ひたすらパッシュンパッシュンした狙撃を見せられます。何やかや戦闘は盛り上がってんだけど、一向に盛り上がらないこちらの気持ち。
狙撃手も「亡霊」にしては神秘性ないし。頻繁に素顔をさらすわ、サウナでのぼせて失神するわ、意外と飾り気のない自然体。
とはいえ、積雪の表面がキラキラ光るさりげない描写や、敵の将校がマッパで応戦したり、マッパで雪原を逃げたり、挙げ句には女装で逃げ回る辺りは新鮮でしたわ。あと、戦闘で歪んだアゴとか。
冒頭のシークエンスがラストにつながって、ようやく何がやりたかったのか、何が言いたかったのかが判明するんだけど、遅すぎてカタルシスにはつながらず。
「ニキータ・ミハルコフが絶賛」って、後から見ただけで制作に関わってないやん。まぁ、誰が絶賛しようがしよまいが、美味そうな匂いがしてたからどのみち見に行ったんだけどね。それにしても、あまりに巨匠の名前が安く使われてないか? 本人は知ってるのか? どうせ日本語読めないからバレやしないってか?