Sachika

パーフェクト・ノーマル・ファミリーのSachikaのレビュー・感想・評価

3.8
性別適合手術で女性になった父と、その事を受け入れられないエマ。
パパはパパ、大好きなパパ。
わかっているのに、今までとは「何か」が変わってしまいそうで。
エマの目線で見る親子の物語は、11歳の揺れる心を丁寧に描き、その人自身を受け入れる事の大切さを教えてくれる。

自分の未来を自由に生きる事は素敵だけど、じゃあそのせいで取り残された方は?
突然の変化に戸惑うエマの心情がとってもリアルで、「もし自分の父がその未来を選択したら、自分は受け入れられるのかな?」と考えながら観ていた。
実際、監督の実体験が元になっているそう。

適合手術を「受ける側」を描く物語が多い中で、残された子どもの方に視点を置く物語は珍しいかも。
また、既に女性として生きることを決心していたパパの、女性になるまでのスピードが超特急で、その分エマの気持ちや家族に重点が置かれていたのがよくわかる。
ただ娘の視点が多すぎて、母親(元奥さん)が空気だったのがちょっと残念。

「普通で完璧な家族」の在り方に、決まった形はない。
お互いを大切に思いあえる事が、重要なんじゃないかなあ。
Sachika

Sachika