"死の需要"についての映画だったと思う。山内がいつから殺人に快楽を求め始めたかは分からないが、病み垢から成る界隈が本気で死を望んでいたことに間違いはない。そして、殺しも初めは軽い気持ちではなかった事も。非単純な者の餌食にされてたまるか。意思は重要だ。
かなり予想と違う映画だった。まず現状を見せて、そこから表層を浮かび上がらせるという構成はどんでん返し映画そのもので、殺人鬼映画として売り出すには少し嗜好が違うという感じがした。
勿論「さがす」に関連するシーンは丁寧に撮られていた。特に終盤に明らかになる、どんな比喩にも喩えられるその三文字。
佐藤二朗の本質的な芸がしっかりと、上手い方で作用している。ひとりでに笑い出すこともないがそれが良い。
伊東蒼はもう何とも言いようがないくらい凄い。楓自体がしっかり者で、捜し/探し回った先に見つけたくないものが見えても冷静だった。また必要ないと思われるような彼女の平凡な要素引っくるめて、それを演じた彼女自身と繋がってた。ラストの卓球シーンがもう、、ほんとやばい（語彙なし）
