全てが心の内側へ内側へと
向かっていく感じがして
観終わった後
「わーーーっ！」と大声出して
発散したくなった、
失踪したお父ちゃんを探す娘の楓。
このお父ちゃん=原田智=佐藤二郎が
ロクデナシでねー。
日雇い現場で「原田智」をさがすと
若いシュッとした青年が出てきちゃう。
清水尋也がクール！
ミステリアスな雰囲気たっぷりで登場。
指名手配犯とお父ちゃんと娘。
過去と現在を交互に見せ、
複雑に絡み合う関係と犯罪が描かれる。
頼れる人もなく、孤独の中、
危険に飛び込んでゆく楓がいじらしい。
「空白」の時とは打って変わって
今作の伊東蒼は、
はっきりと主張し、ガンガン進む。
でも危なっかしくて心配。
扱っているテーマは重い。
生きるとは。死ぬとは。尊厳とは。
どちらが正解なのか。
問題に直面し、葛藤するお父ちゃん。
こんな佐藤二郎を見ることになるとは。
音声を消すことで
逆に高まる感情が際立った。
こんな重い想いを
ただ快楽のために利用する指名手配犯。
怒りや不快感と同時に哀れさも感じる。
そんな風にしか人と向き合えないのか…
森田望智は今回も凄い。
情緒が心配になるくらい
振り切った役をしっかりと演じきる。
船のトイレで着替えるシーンが
グォーッと胸にきた。
あんな時、泣くと笑うが
いっぺんに来るの、わかるわ〜。
