スタートから
映像も音も丁寧に作り込まれていて
移動中に携帯で見ようとしていたが
慌てて閉じた。
ちゃんと大きな画面で観たい。
ちょっと見ただけで
そう思わせるセンスが凄い。
食事を作る俯瞰映像や
チューブを絞る音など
とにかく凝っていて印象的。
あれっ?ヘイリー・ベネットって
こんなぼんやりした顔だったっけ?
と思ったが、
それも意図があっての役作りなのだと
後々わかってくる。
夫役はオースティン・ストウェル。
この人は、明るい鈍感バカみたいな役が
本当に上手いな。
途中何度も顔にグーパンチしたくなった。
裕福な家に嫁ぎ、
郊外の大きく美しい邸宅で
専業主婦として過ごすハンター。
誰もが羨むような生活に見えるが
実は誰からも軽んじられる存在。
妊娠をしてさらに深まる心の葛藤が
彼女を異食症へ向かわせる。
ビー玉の次に
選んだアイテムがハード過ぎる!
いきなりそれ行く?!
しかし、私としては
過去に過食嘔吐を数年間経験したから
何となく気持ちがわかる。
食べても食べても満たされない欲望。
吐いても吐いても吐ききれない劣等感。
摂食障害は心の叫びなのだ。
自分で選択する自由さえなかった
ヘイリーの最後の選択。
賛否あるだろうが
私は尊重したい。
エンドロールの
女性トイレの映像が画期的。
手を洗い、身だしなみを整えて
外の世界へ戦いに行く。
みんな同じなのかと少し励まされる。
強烈なフェミニズム映画が
増えてきた昨今。
「プロミシング・ヤング・ウーマン」
よりもこちらのほうが私は好き。
与えられた幸せなどいらない。
欲しいのは選択する自由だ。
自分で生きる強さだ。