“私、母性がないの"
これは子供を持つ女性には思い切り刺さるだろうな。
母性とは?をひたすらに突きつけてくる。
「クレイマー・クレイマー」を思い出したな…。
何か起きそうな不穏な雰囲気にオリヴィア・コールマンの危なっかしい圧倒的演技力が拍車をかける。
人の感情が理想通りには動かないということを、これでもかという程に見せつける圧巻の作品。
マギー・ギレンホール、恐るべし…。
女性といえど、人間。
子供が好きな人もいれば嫌いな人もいる。
それなのに女性だから母性があるのは当たり前、子供を最優先にするべきといった社会的な息苦しいスタンダードを押し付けられるべきではない。
不倫をしたことも、娘を置いて家を出たことも、レダにとってはその時はすがるような気持ちで下した選択。
だけどその選択によって、電話でしか娘と繋がることができなくなってしまった。
そうやって娘を失ったのだと気づかされるラストは美しくも残酷だった。
私は彼女が人形を盗んだのは、人形を綺麗にすることで自分の過去の罪を帳消しにしたかったのかな〜。
39本目 / 2022