始終不穏な空気と音楽。
ラストまでどうなるか緊張感たっぷりで、とても面白かったです。
主要な登場人物は4人。
モンタナの牧場を共同経営する兄のフィンと弟ジョージ。
ジョージが結婚するローズと彼女の連れ子のピーター。
1925年という狂騒の時代。
高圧的でマチスモなフィンの生き方は何かの裏返し。
度々彼の口から出るブロンコ・ヘンリーという人物。
ブロンコと自分以外には見えなかった風景がピーターにも見えていたとわかったときのフィンの動揺。
「あなたに憧れていたんです」
誰よりも聡いフィンであれば見抜けたはずなのに、揺れる感情に真っ当な判断が出来ない。
ピーターの配役(コディ・スミット=マカフィー)がどハマりしていてカンバーバッチと渡り合うには、これくらいの魔力がありそうな子じゃないとバランスが取れないんだと思いました。
鑑賞中のわたしは夕食会でのローズ(キルスティン・ダンスト)とずっと同じ表情。
雄大な景色が本当に美しい。
泳ぐカンバーバッチの全裸。
解放したのか、されたのか。
きっとそれぞれに余韻が残る作品。