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パワー・オブ・ザ・ドッグのyassi1000rrのネタバレレビュー・内容・結末

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

聖書で言うところの犬の力というのを初めて知った。
カンバーバッチ×カウボーイ=同性愛ということでキャラ特性は序盤からわかりやすく明らかで、中盤までの不均衡さを楽しめる。家を切り取る方向と、山を切り取る方向にある厩の戸が全開の時と、閉じている時などの描き分けがなんとも艶かしい感。手の生傷が絶えないのは何の意味があるのか。あとあの秘密基地の構造知りたい。ピーターラビット的な何かを感じるけど、あれってイギリスじゃないの。
同性愛者の抱える不均衡さをストレートに描きたいがゆえに、「当時の表現です、わかりますよね」的に時代劇に落とし込むの、なんかわかりやすいけどもうええわ、そういうポーズしないで別に現代劇でやれやとも思う。
そして最後の、中盤まで丁寧に丁寧に同性愛による、フィルのねじれ・不均衡さを描いた積み上げをガラガラポンしちゃうような、ピーターテメェが主役なのかよという構成がマジで気に食わなかったし、何の意味があるのか。この何の特徴もないが微エロな母親をファムファタル的と言うべきなのか、なんかとにかく急に出しゃばってきて、ピーターがさらに覚醒してこの2人全てをものにするつもりなのか的結末。とてもつまらん。
そっち描きたいなら、そっちを丁寧に描いとくべきじゃないの?神聖な同性愛のお話をサイコ野郎を描くための踏み台にしてくれるなよ、と気持ちの収拾がつきにくい。そういう意味でなんとも肩透かし映画。
'20年代のワークウェアはカッコイイ。
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