KnightsofOdessa

Short Vacation(英題)のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

Short Vacation(英題)(2020年製作の映画)
3.0
[韓国、少女たちのひと夏の冒険] 60点

中学生のシヨンは、活動実態のほぼない幽霊部活だった写真部に入部する。既に入っていた三人とは直ぐに打ち解け、一緒に帰ったり寄り道したりして気怠い毎日を過ごしている。そんな彼女たちの何気ない語らいを定点観察するようにカメラに収めていく。ある程度の距離感があって、カメラが五人目の登場人物にならないからこその温かい眼差しというかなんというか。そんな四人は、夏休み前にやる気のない顧問から写真コンテンストへの参加をお願いされる。課題のテーマは"世界の終わり"。そして、四人は支給されたフィルムカメラを携えて地下鉄の終点である新昌駅への旅に繰り出す。初めて地元から離れるのだろうか、慣れない路線図を眺めながら乗り換えが必要か~いやこのままでいいか~なんてことを話しながら、最初は乗り気ではない旅も流れるままに進んでいく。ここらへんからは四人が実際に撮った写真も挿入され、旅の記録を彩り始める。まぁ言ってしまえば少女版『スタンド・バイ・ミー』なのだが、フィルムカメラという有限性を提示したにも関わらず、誰も"世界の終わり"というテーマに向き合わず、適当に写真を撮ってるのが伝わってきて(例えば、全員が同じ被写体にカメラを向けるとか)少々辛いものがある。旅が進んでも旅をする前と大して話していることは変わらず、旅をしている意味もあまり感じられなかった。もっと写真(つまり旅に出る動機)と旅の流れを同期させればいいのに、勿体ないなあと。
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