MubaoMasato

ベルファストのMubaoMasatoのネタバレレビュー・内容・結末

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ベルファスト/貴方はどちらを選ぶ?

▷『ベルファスト』映画館で鑑賞

▷87点/体感は2時間越えの映画を観た濃厚さ。

▷あらすじ
『監督ケネス・ブラナーの幼少期を投影した実話を描いている作品。彼の幼少期・ベルファストに住んでいたが。突然、プロテスタントの暴徒が起こり、ベルファスト内が、一日で警戒地域に認定された。住民が全て顔なじみ、違うところは宗教だけ。その日をきっかけに分断していくベルファスト。暴力と隣り合わせ、だが居続けたい母。逃げたい父。飲み込まれるケネス。果たして、家族が決断した答えとは??』

▷徹底感想
今作は、白黒映画で、自分は初めて白黒映画を観ましたが、白黒映画でか味わえない作品でした。カラーの映画も良いですが、白黒映画では自分はこの色を自分で付けていいという新たな考えが生まれました。
また、最初の何分間は現代のベルファストがカラーで描かれ、そこから、過去のベルファストにカメラが映った時に、現在と過去の違いを色で表すのは、なるほどなと感じました。

そして、ケネス・ブラナー監督を調べると、非常に自分の好きな映画の監督さんでした。オリエント急行殺人事件、ハリーポッター/秘密の部屋、TENET、ナイル殺人事件を手掛けたり、出演しており、自分が面白いと思った作品を手掛けていた監督さんでした。

そして今回の『ベルファスト』今までとは違うケネス監督の実話を基にした、非常に考えモノの作品でした。

まず、初めから衝撃的なスタートを切りました、いきなりプロテスタントの人たちがカトリックの家や店を襲い始めるところからスタートします。
無差別に、残虐に、徹底的に暴走していました。
それが終わると、ベルファストが、警戒態勢に置かれます。

そこから、家族たちに対立が起きます。母は、ベルファストには、祖父や祖母がおり、仲の良い友達がいて、この街で死にたいと考えています。
しかし、お父さんは、早く逃げたい考えを持っていました。お父さんは、ベルファストに関心を持っていませんでした。それよりも、家族が死ぬかもしれない可能性がある所に居てほしくないと考えていました。
お金よりも、家族の方が大事だと考える人で、お父さんは、ベルファストで仕事をしておらず、違う場所で仕事をし、何週間に一回ベルファストに帰ってきます。

息子二人は、悩み続けています。お父さん、お母さんの意見も一理あり、まだ考える能力がまだ未熟だからです。
また、お母さんがベルファストから出ると、私たちは差別され、生活が成り立たないと考える不安要素も出てきます。
そして、この物語の主軸になり、物語の後半で大きな事件が再び起きます。

それは、主人公側のカトリック達が、プロテスタントに対して復讐をし、
暴徒を起こします。それに巻き込まれた主人公、店を壊して、モノを盗み、盗まないと叱咤されます、見知らぬ人に。

そして、家に帰った時、母にそれを伝えると、母は息子の行いに、激怒し、元に戻してこいと一緒に盗んだ店に戻ります。

戻す時、『何、戻してんだ。戻すなら、どうなるか分かっているよな。』
と自分の夫を目の敵にしている男に言われます。

そして、銃を突き付けられ、母と主人公。その周りには、暴徒を鎮圧するために、派遣された軍隊に回り込まれる。
果たして、主人公たちはどうなるのか??それは、映像をご覧下さい。
そして、物語の結末、主人公たちはベルファストから出るのか?残り続けるのか?

では、なぜこの作品が改めて注目されたのかというと、ウクライナ侵攻です。
この作品凄く似ているんですよね、シチュエーションが。
今ウクライナは、ロシアに侵攻され、街を捨てる人や街に居続ける人に
二分化しています。この意見はどちらも一理あります。

こんな場所にいれば、死んでしまうかもしれない、それなら場所も分からない場所に行くが、耐えるしかなと言う人。
もしこの場所にいれば、ウクライナが無くなってしまい、故郷が消える。
だから、残り続ける、世界から消えないようにと言う人。

とても似ており、マッチする状況、侵攻やその後の人間の行動は答えもなく、唯一恐怖しかないということが分かります。

何事も知らないと、考えることが出来ない。だから、今起きていることを
知りながら、映画を観ると新たな考えが浮かぶ作品でした。

▷まとめ
内容も今の時勢にマッチする『ベルファスト』
今どのようなことが起きているのか、自分がこの状況はどのような決断をするのか。自分自身で考えてください。

特に好きなシーンは、主人公の恋愛と最後のシーンは悲しかったですね。
MubaoMasato

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