半兵衛

白い馬の半兵衛のレビュー・感想・評価

白い馬(1952年製作の映画)
4.0
誇り高き野生の白い馬と子供との交流を野生の動物たちをドキュメンタリーチックで捉えた映像と、台詞を極力減らして主人公や動物たちの日々を詩情豊かに描いた演出によって幻想的でありながら生物と息づかいに溢れた作品に仕上がっておりその美しい世界にうっとりしながら鑑賞していた。

馬の走り方がアメリカの西部劇よりも躍動感に満ちており、どうやって撮影したんだろうと感心してしまった。そして他の映画では見られない馬同士のバイオレンスな喧嘩(噛んだり蹴ったりなど)のガチな迫力も見所。

主人公の少年が愛くるしさとあどけない表情がメルヘンな作風によく似合っている、まだ幼い妹の存在も癒される。

でもそんな作風なのに主人公が水辺で何十メートルも馬に顔を土につけながら引きずられたり、馬を水中で走らせたりと鬼畜な演出をしているのにゾッとする。その極めつけはラスト、あれは感動というよりヤバい映像を見せつけられているようで少し引いてしまった。確かに画としては決まっているけれど…。
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