アメリカ同時多発テロ事件での実話に基づく話。
事件後航空会社は被害者からの提訴をおそれた。
政府も航空産業を守るために動く。
政府、航空会社による基金を設立し被害者に
対して見舞金を支払うことに。受け取るかわりに
提訴しないという仕組み。
問題はその金額をどう査定するのか。
出せる額に限界のある政府と航空会社。
傷つき失意の日々を過ごし、やり場のない怒りを
もつ被害者との間を取り持つ主人公。
金額を決め被害者にサインをさせる汚れ役。
果たして、基金は成功するのか??
こういう切り口で同時多発テロ事件を描いた
作品は初めて。難しいテーマ。
個々に年収も違えば家族、生い立ち、全く違う
人たちのケースをあてはめていくなんて。
考えただけでぞっとする。まして被害者は
どこかに怒りをぶつけたい。主人公の立場なら
絶対病みます。
査定が進むにつれて被害者の知らない一面も
明らかになる。家族はその事実を目の当たりにする。
そこに彼はいないのに。辛いし受け止めきれない。
涙が出てくる…。ただでさえ辛いのに。
世の中に公平なんて存在しないんだよね。
言葉のまやかしであって、受け入れられる
ギリギリの妥協しあえるライン。
それが公平なんだろうな…。
すごく考えさせられた作品でした。
けっこう、あっさりしていたので、主人公が
どう被害者の信頼を得たか、もう少し詳しく
描いてほしかったかな。
スタンリー・トゥッチが好きなので私は満足。