バリカタ

帰らない日曜日のバリカタのレビュー・感想・評価

帰らない日曜日(2021年製作の映画)
3.5
午後のまったりタイムにもってこいの作品ですね。

イギリス文学に親しみも造詣も持っていない僕には合わないかなぁ〜?なんて思い鑑賞です。もちろん、原作未読で。結果は十分楽しめたかなぁ。

「帰らない日曜日」かぁ〜、なるほどな邦題ですね。きっかけであり、歴史であり、かけがえのない思い出であり、イギリス文化や歴史の側面もあり・・・で、なるほど〜です。作品全体が、なんと言うのでしょうね、木漏れ日の中って感じがとても居心地というか、見心地(こんな言葉無い)が良いのです。

映像作品としては、場面の差し込み方が気に入りました。ジェーン自身が記憶を呼び起こしてる感じがよくでてるなぁって。そうそう、こんな感じだった、あ、こんなこともあった・・・で、あの時はこうだったし、あぁその時はあの時と違っていたわねぇ〜、どれをどう書こうかな・・・・?なんて思いが見えてくるようで。

本作はある孤児院育ちの女性の思い出話ではありますが、戦争、家督などの時代背景に翻弄されている人々も描いています。基本、悲しいのです。時代が生んだ物語でもあるとは思いますが、ジェーンの秘事をはじめ色々と「何か」を掴んでいく様は、そんな時代を生きようとする人間の強さを見せてくれているようでもあります。愛欲って生きる根源の一つですよね。学びって潤いのある生活の一つですよね。それに奥様からの一言・・・・まさに金言で人生はどのようにも転ぶもんですよね。

ただ、ポールが現実から逃げてるだけの男にしかみえなかったのが残念だったなぁ・・・歴史、時代の被害者なんだろうけどもうちょっと彼の言動や行動の裏付けがわかるような描き方なかったかなぁって。

けど良作でした。