このレビューはネタバレを含みます
ジョージマッケイを久しぶりに見た。顔の骨格にロンウィーズリーぽさがあって好き。
ジョージマッケイが自分を動物だと思い込んでいる人達が収容される施設に連れていかれ、葛藤する様を描く。ジョージマッケイはタイトル通り自分を狼だと思い込んでいるのだが、序盤ではあまりその描写は映されず、他の患者の症状の描写ばかりで、どこが?ジョージマッケイはどこが悪いの?軽症では?と思いながら進んでいくが一度見せるともう悪化の一途。
狼の演技が本当にうまい。夜中の廊下を四足歩行で歩く姿は、美しくもあるぐらい凄く研究されている。この演技のために膝や手をどれだけ擦ったのだろうか。
他の患者も改善の余地が見られないし、改善したと思って施設を出てもまた犬になって戻ってきて、もう人間の言葉を一言も話さなくなっている様を見ると、リバウンドの力も強い感じがする。あの施設は本当に効果を示しているのだろうか。医者の必死さは見て取れたが、同じ症状を持つ人達を一つの施設に集めて一緒に治療を受けさせてるということが、逆にお互いに刺激になってしまって人間に戻れないレベルまで悪化しているようにしか見えなくなってくる。実際ジョージマッケイもリリーデップと恋仲になることで刺激されたのではないか?リリーデップはヤマネコなのだが、ネコらしく気まぐれで感情の起伏が激しく、施設を逃走する最後ですら決断をしぶり別れてしまうという、人間らしくもある終わり方。