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わたし達はおとなのjunのネタバレレビュー・内容・結末

わたし達はおとな(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

大学生カップルのリアルを覗き見ているような映画でした。過去の幸せそうな様子と対比して映し出される現在のすれ違う2人の様子。好きという感情に慣れた頃が一番お互い何もかも剥き出しになってそこで思いやりがないと当然うまくいかない。

ここで描かれている2人には圧倒的にその気持ちが欠けていたように思いました。
例えば冒頭から体調が悪いと言いながらも朝食作るよと言う優実に「ありがとう」と甘える直哉。そこは「俺がやるから寝てな」と言って欲しかったし妊娠がわかってから気分転換に直哉の先輩の演劇を観に行って気分が悪くなり優実が吐いた時「俺聞いたよね?体調大丈夫なのかって、予測しようよ大人なんだから…」と吐き捨てた直哉。朝は大丈夫だったの…と話しても体調管理がどうのこうのまだ責め立てる。妊婦に何の配慮もない。妊娠したことあるのかと言いたくなる。
他にも「感謝してるけど頼んでない」とか段々言葉のチョイスがギスギスしてくるのが見ていてイライラした。

とはいえ、優実の方も一旦別れていたとはいえ会ったその日によく知らない男を家に連れ込み関係を持つ…。相手が避妊しなかったことに腹を立てて責めてたけど受け入れなきゃいい話で。行動が軽率すぎるしその結果どちらの子供かわからないなんてことになってしまうのだから自業自得でもある。自分の身を守れるのは自分しかいないと分かっていない所がまだまだ子供。

DNA鑑定を頑なに嫌がったのは結局真実を知るのが怖いからだよね。よく分からない男の子供の可能性の方が高いとわかっていたからでは?
自分の行動を棚に上げて直哉だけを責めるのは違うと思う。

結局、この2人では結婚しても何かある度お互いを責めて「だから子供なんか産まなきゃよかった!」と言い出しそう。自分の親が亡くなった事さえ伝えられない関係ってそもそも終わってない?

ラストの描写からおそらく堕胎したんだろうと推測。
直哉が出て行った後、淡々と暗がりのキッチンで調理し無表情に食パンにかじりつく。現実逃避のようにも見えたけど大人になるって辛いことや悲しいこと思い通りにならないこといっぱい経験して壁にぶち当たって人生ってキツイなぁ…って受け止めてまた前に進むことなのかもしれないですね。
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