かじドゥンドゥン

KAPPEI カッペイのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

KAPPEI カッペイ(2022年製作の映画)
3.0
1999年7月に世界が滅びるというノストラダムスの予言を信じた男により、終末の世を救う戦士として極秘に鍛え上げられた少年たち。ところが時代は2020年代に突入。自分を欺してここまで引きずって来たものの、さすがに世は滅びそうにないとみてとった師範は、解散を宣言。無駄に武力だけ身につけて中年になった世間知らずの終末戦士たちが、東京に放たれた。

カッペイは、チンピラにからまれているところを助けたことがきっかけで、大学生ケイタの信頼を得て、彼のもとに居候する。そして、ケイタの同級生であるハルに恋をする。これまで女も恋も御法度と叩き込まれてきたカッペイは、無知と不器用を乗り越えて、どうにかハルにアプローチ。他方、かつての終末戦士が自らの力で世界に破滅をもたらそうと企んでいるとの情報が入り、戦士同士の再会と対決が生じるが、いずれも誤解で、みなそれぞれの仕方で現代社会に適応しようと葛藤している。戦うべき敵がいないとき、ヒーローは何をすべきなのか、そう洩らしたカッペイにハルは、満面の笑みで、今度は自分が幸せになる番だと告げる。その何度も反芻しながら、カッペイは、ならばハルに告白するしかないと決意し、他の戦士たちの後押しを受けながら、ハルに気持を打ち明ける。ハルは、自分が憧れの先輩に告白してフラれ、泣いたとき、いつまでもそばにいてくれたカッペイに感謝の意を示し、これはOKのパターンだと誰もが思ったが、結果は残念。そのまま大学生達は卒業を迎え、ケイタの狭い部屋に何人ものむさ苦しい戦士が居候しているという地獄の状況に。とはいえカッペイもバイトリーダーになるなど、自立に向けて着々と歩を進めており、遅れてきた青春物語がハッピーエンドを迎える。

と思われたが、巨大な隕石が地球に衝突し、北斗の拳的な終末世界が訪れる。ケンシロウさながらのいでたちをしたカッペイが、囚われた少女を救うが、ハルもいまや彼の相棒として、カッペイに負けず劣らず拳法を使いこなしている。