幼い頃に憧れた北極百貨店のコンシェルジュ。アキノはとうとう、この名店でコンシェルジュ見習いとして研修期間を送ることに。客は、絶滅危惧種も含めたありとあらゆる動物たち。それぞれが事情や物語を携えて来店する。アキノは同僚や先輩の支えを得ながら、そしてリストラ対象者を見極めようとする上層部の厳しい目を乗り越えながら、客に寄り添い、成長してゆく。そして気づけば、今度はアキノが、少女に夢を与え、羨望の的となっていた。
百貨店といえば、店側が客を選ぶイメージだけれど、そうも言ってられないだろう。客とそのニーズの多様性を生物的多様性に言い換えて、今風の百貨店観を示してみせた。