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秘密のアンソロジーのBaadのレビュー・感想・評価

秘密のアンソロジー(2021年製作の映画)
3.8
Netflixのインド映画アンソロジーの最近作。

最近賞レース常連の新進気鋭のヒンディー語映画監督と脇役俳優の組み合わせ。スター俳優はおそらく第三話のクナル・カプールのみ。

というわけで、それぞれの監督が自分の色を出して好きなように撮っているという印象。

第一話はムンバイの洋服店で働く独身男性の孤独を描いている。一見エキセントリックだがそのエキセントリックさは孤独の深さに比例していて、異常ではないことがわかる。美しいマネキンだけじゃなく、幼馴染の女性も印象的。

第二話は『パンジャーブ・ハイ』その他のアビシェーク・チョーベー監督。独特の色使いはいつものことで、ノワール的作品を撮ることが多いのだか、この映画は恋というより映画愛についての映画かな?

二人の出会いの場となる映画館は古くからあるシングルスクリーンの映画館で古い映画を上映しているようなのだが、映画館に勤める彼がマラーティー語を頻繁に話すことから、マラーティー語映画も上映しているのでは?と少し気になった。

第三話はそれぞれの配偶者の浮気を知ってしまった二人の話。配偶者の出会った場所で推理を重ねるのだが、それが思わぬ結果を生む。浮気カップルには恋があったかもだし、この二人の間も愛情めいたものがが芽生えたのかもしれないが、結婚に関してはすそれぞれすでに倦怠期を迎えているということもあるのだろうが、恋愛感情ではなく、生活の問題として語っているのが印象的だ。

このアンソロジーのシリーズ、多少の凸凹はあるものの、概ね面白いのですが、今回のは割とヒットでした。

(人生を変えた念い 2021/10/29記)
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