ニクガタナ

雨を告げる漂流団地のニクガタナのレビュー・感想・評価

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
3.3
夏休み直前の小6生達によるジュブナイル冒険劇。脚本が大変残念。まず子供たちの会話に難あり。それぞれの感情の発露のタイミングが嘘くさく、やたらとケンカになるやりとりが不自然で気持ち悪いのでキャラの魅力に繋がらず。鍵を握るノッポ君のキャラが薄いのが決定的にまずい。デザイン的にもちょっと愛せない。キャラの表情描写が漫画すぎて微妙。設定も雑。逆行して漂流する思い出の施設達等ファンタジー世界内の設定、法則が気になる。各キャラのトラウマと施設とを明確に紐づけたら良かったのに…。何をどうすれば仲間を救えるのかよく分からない中、なんか皆必死というクライマックスにもげんなり。狙い通り機能していないストーリーはいただけない。広告コンテンツも多く手がけるスタジオコロリドの作品で、しかもオリジナル脚本作は応援したかったし、前作「ペンギンハイウェイ」が面白かった石田監督に期待したものの残念。阿部海太郎の劇伴は良く、前作でも感じた仄かなあの世感は好み。
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