mity

弟とアンドロイドと僕のmityのレビュー・感想・評価

弟とアンドロイドと僕(2020年製作の映画)
3.0
この映画を、一体どう言語化したら良いんだろう。考えるのも感じるのもちょっと難しいのに、言葉を当てはめるのはもっと難しい···観終わってそう思った。

自分の足が自分の足だと思えない。鏡を見ても自分の姿が映らない。自分は存在しているんだろうか。そんな孤独感を抱えながら生きている桐生は、それでもどうにか自分を感じたいともがいていたのかなと思う。災害級の雨量じゃないかと思った程、連日降り続ける雨を前に、決して傘を差さなかった桐生は、自分の存在を感じるために雨に打たれているようにみえた。

桐生が生み出したもう一人の“僕”であるアンドロイドの“僕”。何かプログラミングされた機械的なアンドロイドではなく、それこそ黒魔術で生み出したんじゃないかと思うようなアンドロイドだった。物体としての自分を目の前にした桐生は嬉しそうで、見ることで自分は居ると思えたのかなと思った。

少女の存在やその少女とのラストシーン等、なかなか(´・ω・`)?なところも多くて難しかったけれど、ちょっとユーモラスな部分もあったのは良かったかな。ただ板書だけする桐生に対する「これ何の授業?」にはもう共感だった(笑) 一体何が書かれていたのか全然分からなかったし、ほんと何の授業だったんだろ。 あれだけで試験受けなきゃいけないのかと思ったら、学生が気の毒になったよ(笑)


#5_2022
mity

mity