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リコリス・ピザのmiiのレビュー・感想・評価

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
3.8
1973年 カリフォルニアのサンフェルナンド・ヴァリー。
画面の色合いであっあり 音楽であったり
70年代のレトロな空気感が心地いい。
ファッションも Aラインのミニワンピがすごく可愛い!

ゲイリー・ヴァレンタインは15歳。
子役俳優でそこそこ稼いではいるものの
前髪がやたらと気になる ティーン。
年上の好きな女性に ぐいぐいいけないもどかしさも持つ。

そんな彼に思いを寄せられるアラナ·ケインは25歳。
自分を好いてくれる彼が気になりつつも
ティーンを馬鹿にしてる節もあり
大人の世界に憧れ お誘いも多く計算高い。
ゲイリーは放っておけない年下の男の子的存在。

お互いに嫉妬しながらマウント取り合い合戦を繰り広げ
つかず離れずの2人の関係。
けれども 相手を想って全速力で走るという行為が
若さも象徴しているし 単純だけどとても分かりやすい意志の表し方。
遠回りはしているのだけどね。
アラナが出会った男性たちの彼女の対応を見ても
ただ「走る」という事だけで
愛しい人への恋愛感情の基本的な縮図を見せてくれているし
青春グラフィティとして上手く表現しているね。

アラナのトラックのバック走行は見事だった!
あと ブラッドリー・クーパーが出てきたら 面白かったなぁ。
ナンパなクズ男さがサイコー!

ポール・トーマス・アンダーソン監督作品では 常連のフィリップ・シーモア・ホフマン。
彼の息⼦クーパー・ホフマンがPTAの作品でデビューするとは
なんとも嬉しい限り。

一方 アラナ・ハイムも映画はお初。
2人とも初デビューなのに 他のベテラン俳優陣にも引けを取らない演技に仕上がっているのが見事。

本作は ほぼ実在の人物がモデルになっているようだけど
わたしはルシル・ボールしか分からなかった···
なので わたしはこの作品の面白さを
半分も理解できていないと思う。
1970年代のアメリカを知っていると さらに面白さも増して
スコアもぐ〜んと伸びるのかもしれませんね。
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