えいがうるふ

リコリス・ピザのえいがうるふのレビュー・感想・評価

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
2.8
周囲の評判がやたらいいのでかなり期待値上げて観に行ってしまったが、残念ながら全く刺さらなかった。懐かしさの詰まった最高にエモい青春映画などと絶賛する声も多いのに、その良さがまるで分からずとても残念ではある。

ぶっちゃけ主役の二人がどちらも嫌いなタイプのキャラクターだったので、共感するどころか反発ばかり感じてしまって最初から最後までストレスだったのだ。
そもそもの設定が自分には無理だったのかもしれない。子役として若くして周囲にちやほやされ身も心も太々しく育った商魂逞しいオッサンのような10代肥満児と、人生観ブレブレのままひたすらキラキラした生活に憧れる年の割に幼稚なメンタルで何故かルックスには若々しさを感じない20代こじらせ女子の青臭いラブストーリー・・・の、どこにも私が感情移入できる余地を見つけられなかった。
そもそもあの出会いで一体どこに惹かれあったのか説得力無さすぎる。たとえ私が今25歳だったとして15歳のガキに声かけられてその気になるか? 相手が若かりし日のディカプリオやE.ファーロングばりの背景に薔薇の見える美少年ならまだしも、パタリロみたいなルックスで学校も行かずに楽な金儲けばかり考えてるゆた○んみたいなやつだぞ?ないない。

せめて男女どちらかのルックスが好みならまだしも、その点でも全くかすりもしなかったのでスクリーンマジックのかかった恋愛ファンタジーものならではの夢見心地にすらなれず心は萎えるばかりだった。あの二人がどんだけ素敵なBGMと共にキラキラフィルターのかかった青春RUNを繰り返そうと刺さらんものは刺さらん。ショボーン。

すったもんだの挙げ句、予定調和っぽいハッピーエンドに収まるのはいいが、あの調子だと2週間ぐらいでお互いまたよそ見して別れそうだしどうぞご勝手に、としか思えなかった私の目は腐ってるのかもしれない。ごめんなさい。

映像の作りと音楽は文句なく素晴らしく、そこだけは期待通りだった。ちょこちょこ出てくる大物俳優の遊びっぷりや70年代世相描写は面白かったし、ファッションも目に楽しかった。
ちなみに早稲田松竹では本編前にPTAが撮ったRadiohead ”Daydreaming”のPVを上映してくれた。あれは文句なく☆5!