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偽りのないhappy endの8637のレビュー・感想・評価

偽りのないhappy end(2020年製作の映画)
3.6
この映画、極悪非道が過ぎる。タイトルを思い出してヒェッとなった。妹を探し、その為に復讐し、だんだんと安心感が剥がれていく。
ラストの衝撃。それでもこの映画はハッピーエンドだと言い張る。果たして、誰にとっての?
残された余韻は深すぎて、考え込んだら壊れそうだった。

人の希望にまでなる存在とは?いつも後になって分かる大切なこと。物事には"本当"か"嘘"しかないのに、その二択が難問すぎてとても悩む。結局は自分を信じて行動を起こすしかなかった。印象的に登場する川のシーンが、三途に見えて仕方なかった。

園子温監督に師事する松尾大輔監督の作品でもあるため、"混沌"という部分も意識してしまった。ラストシーンのそれはえぐかった。罪深くて不条理。そこに映画的な背徳感を感じることもある。
皆悪くて、誰も悪くなかったんだよ、きっと...そして少し哀しくなる。

今年存在感を放った河合優実さん、見上愛さんのツーショットの強さも流石だが、鳴海唯さん、仲万美さんには今後注目していきたいと思った。
また、今年何度目かの奥野瑛太の無駄使いも素晴らしい。
スクランブル交差点のシーンはいつも、広告やそこを歩く人からその時期を感じ取れるから良いよね。


追記:監督からの試写会のお誘いにこちらの都合で参加できず、オンラインで観させていただきました。いやー人生初試写会行きたかった…
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