【家族と車】【東京フィルメックス】
ある事情を抱えた息子と一緒に旅行する家族を描いたロードムービー。
「チャドルと生きる」「オフサイド・ガールズ」「人生タクシー」で有名なジャファル・パナヒ監督の助監督を務めた息子さんの長編デビュー作で、Q&Aも聞けた作品です。
これは純粋に面白かったです！
この映画は大自然を大々的に撮られていて、これは車内撮影の対比というのを狙って作られているもののそういったものを抜きに純粋に良かったです！
無限にその映像を見れる意味で、タランティーノのワンハリに雰囲気は近くドラマの起伏は少なめな代わりに結末と映像で無限に見れちゃう的な。
自然と人工の対比描写や、乗り物を乗る行為・同乗した犬にメタファーを内包する様は大自然描写も相まって全体的に抒情詩調な感じはしました。
が、堅苦しい作品かと言えばそうでもなく弟さんの役が「クレヨンしんちゃん」的なコミカルさを持っていて、見やすい作品で面白かったです。
背景に若者の不安さがあるというのは恐らく監督のキャリアにも少なからず反映はされているだろうとは思うし、悲しい結末に対して平常心で振る舞う姿も印象的ですがもうひと押しあれば…という所もあったかな。
とはいえポテンシャルは大いにある監督さんだし、野心的な姿をも見れたので今後の彼の作品に期待したいです。
