最近映画見るのダルかったけどこれは流石に見ようということで。
最初の先入観。え〜？ノーランがヒューマンドラマ〜？しかも3時間〜？絶対冗長じゃ〜ん。作風隠してただ賞狙いに行っただけじゃないの〜？
と正直思ってました笑
でもちゃんとノーランしてました。
あの常に爆音で流れるドラマティックな音楽、オッペンハイマーの脳内の激しさを表す爆音の効果音、トリップ映像、倍速再生してるんじゃないかってぐらい隙間のないテンポ。ヒューマンドラマの枠に収まらない。流石奇才ノーラン。
ストーリーは歴史ある程度勉強してたら想像の範疇なのであんまり書くこともない。
純粋な理論物理への興味。類まれなる才能。戦争への利用。科学と戦争の間に揺れる苦悩。物理屋なのか政治屋なのか。沢山の被害者を作り出してしまった苦悩。世界の構造を根本から変えてしまった苦悩。英雄から一転戦犯(というほどでもないけど)。
全編圧が凄くてかなり夢中になります。
あまりにも緊張感があるもんだから戦争に勝ってしまった後はこちらも抜け殻みたいになってしまって、それでも内容はバッチバチに進むんだけどほとんど頭に入ってきませんでした笑
後半はオッペンハイマーの活躍の影にいた人達がワラワラ出てきて、社会的に抹殺しようと悪巧みする展開に…
「聞き取り」という名の裁判でもないのに延々と取り調べして拷問する展開があるんだけど、最終的な判断が彼はソ連のスパイだ！ってなってなんじゃそりゃー！ってなりました笑
事実とどれぐらい近いのかはわからないけど、この映画の一番の魅力はアインシュタインの登場、彼との会話だと思う。
大いなる成功を収めた者同士にしかわからないラストの会話に感激。
全体に情緒的な作りになっていて、こういうのアカデミー賞大好きだろうなあって思いました笑 ちなみに俺も御多分に漏れず感動！
これでノーラン監督も名実共に巨匠ですね！
