花火

オッペンハイマーの花火のネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

この作劇を採用したのはもうどう考えても、オッペンハイマーその人を描きたいというのは建前で、トリニティ実験を再現したいというオブセッションこそが製作の意図だろう。それは『ダークナイト ライジング』で核爆発をCGで表現するしかなかったことへの"リベンジ"である。くだらねぇ…。マンハッタン計画がまるでプロジェクトXかのように演出されていて流石に草を生やさざるを得なかった。しかもそうまでして再現したトリニティ実験=核爆発が、ぶっちゃけニチアサ特撮のちょっと豪華版というか、まさしく「大きな爆弾」程度の映像にしかなり得ていないのがマジでこれで満足したの?って言いたくなっちゃう。フローレンス・ピューが脱ぐことも画角がガチャガチャ変わるのも意味あるか、これ?劇伴・音響・編集でひたすら凄んでいるだけで、虚仮威しという言葉が似合うのではないかと。オッピーの罪の意識は、いつの間にか赤狩りに興味が移ることによって映画によってスルーされる。そうしてラストカット、核拡散による滅亡を想像したオッピーが目を閉じることで映画が終わる。結局向き合えてねぇじゃねえか。
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