遅ばせながら。
2回鑑賞しても
感想をまとめられずやっと。
3時間、お勉強だった。
オッペンハイマーという人物については
何も知らずに生きてきた。
ハリウッド映画をきっかけに、
その人物像や原爆制作の背景を知り得た事は
大きな学びとなったように思う。
ただし、
被爆3世であり広島にルーツがある身としては
(そもそも日本人としても)
作品のどこにも、
ポジティブに捉えられる所は無かった。
ただひたすらにその事実を受け止めるだけ。
彼がどれだけ後悔や不安、恐れに苛まれても、
広島長崎で失われた命は戻ってこないし、
以降原爆の脅威はなくならない。
だからと言ってそこに対して
反発をするだけなのは意味が無い。
歴史に明るくないので
偉そうな事は言えないが
この物語(歴史)の上に私たちは生きている。
この作品は、
この生まれてしまった核兵器について
私たちは真剣に向き合わなければいけない。
他人事ではない。個々が学び、考え、
後世に正しい事を伝えていかなければならない。
そういった危機感と使命感を
もたらしてくれたように思う。
もう、ほんとにお勉強。
映画としては
IMAXの迫力はかなりもので
トリニティ実験のシーンは
その迫力に圧倒されて涙が出た。
怖かったのか、驚いたのか、
悲しかったのか、わからない。
とにかく圧倒されていた。
あと、登場人物が多いので
1回目ではなかなか理解が及ばず、、。
パンフレットやネットから情報収集して
2回目鑑賞したらある程度把握できた。
カラーと白黒の描写も、
主観と客観で使い分けられ
ストローズ視点
オッペンハイマー視点で
別物だと思って観ると見やすい。
ストローズが最後の方で
「素人は太陽に集まる、権力者は陰に集まる」
みたいな事を言ってたのが
そのまま表現されていたのだと思った。
そのストローズを演じたロバートは
何かのインタビューで
「なぜこの役が自分に来たのかわからない」
と言ってるのを見たけど、
私的にはめちゃくちゃハマってた。
主役級の俳優さんばかりなので
演技とか演出とかが素晴らしいのは
言わずもがな。
個人的にはエミリーブラントが良かった。
作品としてはもちろん高スコアだが、
パンフレットのインタビューや制作秘話には、
日本に対してほとんど言及されていなかった。
大人の事情なのかもしれないけど
とても違和感を感じた。
所詮映画というエンタメだから、と
言われるとそこまでだけど。
この映画の先に少なからずネガティブな感情が
生まれる事は分かりきっていたはず。
それでもノーラン監督は作り上げた。
そんな作品をどのように人々が感じたかのか。
大変気になる。
アメリカと日本ではかなり解釈が
違うんだろうなぁ。。
そしておそらくもう観る事はない。
