みりお

シラノのみりおのネタバレレビュー・内容・結末

シラノ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

『ナイル殺人事件』と迷ったけど、秒で公開が終わる恐れがあったので、早めに鑑賞😂✨

一言で言えば…みんな大好きディンクレイジが主演でよかったね❗️
みりおはやはりどうしてもロクサーヌという人があまり好きになれないので、ともすれば薄っぺらいお話に感じがちだったのですが、もうそのへんも全て、ディンクレイジ演じるシラノの表情や仕草でカバーしてます✨✨

自分の容姿に自信が持てず、長年恋している美女・ロクサーヌへの想いを打ち明けられないシラノ。
口下手なクリスチャンと互いに一目で恋に落ちたロクサーヌを喜ばせるため、自身が書いた美しい言葉たちを、クリスチャンからの手紙としてロクサーヌに届けることになるのですが…
愛する人が、自分の言葉を、別人からの言葉だと思って受け取り、幸せに浸るのを見るときの喜び・切なさ・悔しさ…それが目線と表情だけでビシビシと伝わってきます。
ディンクレイジのあの、人の感情を全て詰め込んだような複雑な顔は、どうやって作られてるんだろう…と考えてしまうくらい、場面場面のロクサーヌを見つめる目が素晴らしかったです✨

でもお話としてはもう一息だったのかなぁ💦
ディンクレイジが素晴らしいだけに、ロクサーヌとクリスチャンの互いに恋する様子が薄っぺらく見えてしまうのと、シラノから自身への愛を知ってそれを利用しているように見えてしまうロクサーヌについ苛立ちが…
(いやでもそう思わせたことは、逆にお話としては成功なのか?笑)

きっとロクサーヌもクリスチャンも、シラノの恋心に気づいていたし、シラノが手紙を書いていたことにも気づいていたんだろうな…
でも燃え上がる恋心を前に、都合の悪いものには見えないフリをした。
その瞬間はお互いのことしか見えてなかったんだろう。
その盲目さがシラノをどれほど傷つけているかは、その瞬間には本当に2人にはわからなかったのかもしれない。
けれどその行為は確実にシラノを傷つけた。
でもシラノの愛は、本当に、心から、見返りを求めていなかった。
ただただロクサーヌの幸福だけを願ったシラノは、最終的には誰よりも愛する人の腕の中で息を引き取る。
その瞬間のロクサーヌの涙もきっと本物。
自分に向けられていた愛がどれほど大きかったのか、いつも隣にいてくれたのは誰なのか、あの瞬間に悟ったからこそ、本物の愛を理解したんだろう。
愛を知った瞬間に、愛する人を失ったロクサーヌ…
きっと彼女の心からシラノが消えることはないし、愛する人の心に自らを刻んだシラノは、二度と忘れられない人として報われたと信じたいな。

あ、あとツボだったのが、画面全体の色彩🌈
淡く穏やか、でもカラフルで、そして温かくて、とても好きでした💓
お衣装も素敵だなぁと思っていたら、アカデミー賞の衣装デザイン賞にノミネートされてたんですね👀✨
『クルエラ』もいるし、受賞は難しいかもだけど…頑張ってほしい❣️

ちなみに最後まで「ナイルがいい…」と不服そうだった旦那…しっかり感動してました☺️👍
シラノの表情にともかく惹き込まれたらしく、ディンクレイジのファンになったみたい✨
このまま『GoT』に惹き込めないか画策中のみりおです👍笑


【ストーリー】

1 7世紀フランス。
軍きっての騎士シラノ(ピーター・ディンクレイジ)は、剣の腕が立つだけでなく、詩の才能にも恵まれていた。
だが自らの外見に自信がない彼は、想いを寄せるロクサーヌ(ヘイリー・ベネット)に想いを伝えることができない。
やがてロクサーヌはクリスチャン(ケルヴィン・ハリソン・Jr)に惹かれ、彼と同じ部隊に所属するシラノに恋の仲立ちを頼む。


【キャスト・スタッフ】

*監督:ジョー・ライト

イングランド出身🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
TVの演出家としてキャリアをスタートさせ、2005年に長編映画初監督作品『プライドと偏見』で高い評価を受け、一躍注目を浴びる✨
この作品で英国アカデミー賞新人賞などを受賞🌟
主な監督作は『つぐない』『アンナ・カレーニナ』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
この人の作品、すごく好きな雰囲気だなぁと思っていたのですが、一点だけ気になるのが、どうもこの人、出演女優とのお付き合い率高め😞🌀
『プライドと偏見』に出演していたロザムンド・パイクとも婚約していたようだし、ロクサーヌ役のヘイリー•ベネットとも、舞台版シラノの初演当時の2018年から付き合ってるんだとか👀💦
ロクサーヌをどうも聖人化しているような、特別視しているような…そんな雰囲気には、監督の好みが出てたんだな😔💧
でもまぁライト監督がヘイリーのロクサーヌに惚れ抜いて、舞台版脚本家のエリカ・シュミットに映画化の依頼を出したのが本作のスタート地点だというので、まぁよしとするか😜👍


*シラノ:ピーター・ディンクレイジ

米国出身🇺🇸
保険屋さんの父と、音楽教師の母の間に生まれ、大学卒業までは演技と無縁の人生だったよう👀
ただ大学卒業後4年目の1995年に『リビング・イン・オブリビオン/悪夢の撮影日誌』で映画デビュー🌟
その後毎年コンスタントに1.2本の映画に出演し、2009年『ゲーム・オブ・スローンズ』で多くの称賛を受け、エミー賞助演男優賞を4回、ゴールデングローブ賞助演男優賞も受賞しました😆✨
主な出演作は『名犬ラッシー』『ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛』『X-MEN:フューチャー&パスト』『スリー・ビルボード』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』など。
本作の脚本はこれまたなんとディンクレイジの奥さまエリカ・シュミットが担当✨
これがとても素敵なお話で、エリカ・シュミットは、有名すぎる舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』をミュージカル化する際の脚本を元から担当していたそう。
もともとは異常に鼻の大きいことがコンプレックスの男が美女に恋するお話なのですが、エリカ・シュミットはかなりのチャレンジャーで、大きな鼻の要素を元々取り除く予定だったそう👀
では背を低くするつもりだったのかというとそういうわけでもなくて、設定は練られている最中だったそうですが、ディンクレイジは横でそんな彼女の仕事を見守っていて、ある日、たまたま同じ部屋にいて脚本のセリフを読んでほしいと頼まれ、この物語に恋をしてしまったんだとか。
自分が想定された脚本だったわけではないのに、このシラノを演じたいと強く想い、ミュージカル初挑戦にも関わらず、ミュージカル版舞台で本作を大成功に導いたそうです☺️✨
舞台版ミュージカルのときからロクサーヌのヘイリーも続投しており、舞台版があまりに素晴らしかったから映画化への道がそのまま切り開かれたのだと感じます💓
『GoT』はまだシーズン2で止まってるんだけど、ほんとティリオン好きなんだよなぁ🥰💓
あれもディンクレイジにしかできない役❣️
本当にたくさんの役に活き活きとした命を吹き込んでくれるディンクレイジ✨
これからがますます楽しみですね(*´꒳`*)


*ロクサーヌ:ヘイリー・ベネット

アメリカ出身🇺🇸
学生時代から音楽や演技を学び、2007年『ラブソングができるまで』で映画デビュー🌟
2008年にはロサンゼルスでコンサートを開催するなど、音楽活動もしていたようですが、いまは女優活動に重きを置いているよう。
残念だな…ロクサーヌのキャラクターはあまり好きではないんですが、彼女の歌声にほんとに射抜かれたので、もっと聴きたかった💦
透き通るような、でも力強い、本当に好きな歌声❣️
主な出演作は『イコライザー』『ハードコア』ガールズ・オン・ザ・トレイン』『Swallw/スワロウ』など。


*クリスチャン:ケルヴィン・ハリソン・Jr

『WAVES/ウェイブス』でみりぺでぃあ記載済🌟
3年前は本当に少年のようだったのに、すごく大人になったなぁ〜💓
でもピュアな瞳や雰囲気はそのまんま✨
『WAVES』のときは気づかなかったけど、歌もとてもうまいですね☺️
みりお

みりお