ネブュラー

約束のネブュラーのレビュー・感想・評価

約束(2021年製作の映画)
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年に一度のフランス映画祭、イザベルユペール出るのかぁでなんとなくみにいったら、良いフランス政治スリラーにばったり出会った。
イザベル・ユペール、レダ・カテブのダブル主演といっていい映画推進力の両輪ぶり。逆にこの相性の良さというか、バランス感がないと活きないシナリオの複雑さがあるんだけど、絶妙なニュアンスというか、行間を演技だけで見せていく最強の二人がまずすごい。
監督が言うように、権威的でありながら、どこか不安定でか弱さを持つイザベルユペール。理知的でどこか小賢しいが、泥臭い一面、表に出さない熱さを持ったレダ・カテブ。かけ合わせ最高。
かけ合わせマックスを引き出した監督の脚本力も素晴らしい。
フランス郊外の住宅問題にスポットを当て、政治を執り行う内部からみせていくわけだが、まつりごとの範疇を超えた、人間の倫理観、正しさとは?な問題を突きつける本質的テーマに昇華されている。
キャラクターの感情の表出と決断の水の如し流動的な部分のリアルさ、映画的盛り上がりを演出する劇的シナリオの共存。この2つを作り上げた監督すげえ。。である。
外部的要因、それに対して行った各々の判断が積み重ねってのラストへの収束。この、現実にも度々起こる、「出どころがよくわからないエネルギー」 がうまく表現されていたんじゃないでしょうか。
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