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デューン 砂の惑星PART2のhiroyokoのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.6
圧倒的。2時46分、ビルヌゥーブの映像、ストーリーに圧倒された。2020年代のSF映画のマスターピースであることを決定づけた。
神話、信仰、血族、民族、この世界に存在するイデオロギーを壮大なSF世界の中に叩き込んでいる。それを圧倒的なクリエイティブで突きつけられた。今回、本格的にDUNEの本領たる砂の世界。砂漠の民の戦い方は成る程、そりゃ、手こずる。ムジャヒディンの戦いはこんななのだろうか。シークエンスとして、特筆なのがハルコネン世界の描き方。なんか、リーフェンシュタールのプロパガンダ映画を想起させる。
物語は、主人公の成長譚としてこの一作で完結しているのが、凄まじい。異邦の民の文化への傾倒、母と子の関係性、そして自身の運命、役割への仮託、大切なヒトへの想い。主人公の物語にこれだけのコンテキストを込めて一作としてまとめる。しかも、ラストに向けての高揚間も半端ない。信仰に支えられた戦闘が、如何に熱狂を伴うのか、それがどれだけ危ういのか、恐ろしくリアルに感じた。原理主義は民族の願いなのか。あまりに今の世界を物語の力で切り取っている。そして、シャラメの主役としての、カッコ良さ。おっさんの私でさえ、見惚れる。スタイルえげつないくらい良い。アップの絵が映える。英雄譚の主役はこうでないといけない!素晴らしい!
DUNEの原作未読だが、この作品は恐ろしい高みにいる。神話そのものだ。
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