hiroyoko

落下の解剖学のhiroyokoのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0
夫婦って、そうだよなぁ、、。しみじみ思いました。ミステリーでは無いと想定しつつ、人が死ぬと、やっぱり謎解きのマインドセットになってしまう自分がおります。何処か期待する。この映画は、夫婦と親子の関係性を、裁判劇を通して語られる。夫婦でも、親子でも、知らないコトは多くあり、それを飲み込みながら、家族は成り立っている。言葉にしてしまうと陳腐だけど、人が死んだ事実を、様々な記録や記憶で辿る裁判を通して、ドラマティックに語られる。視覚障害の息子の視点のカメラワークが、母親と今はいない父親への問いかけのような演出が施され、それ以外の撮影は、ドキュメント的なタッチ。それが全編緊張感を生んでいる。観客が傍聴者の視座になることを意図してる。
母親と息子はこれから、どんな関係を築くのだろう。そんな余韻を残す。
hiroyoko

hiroyoko