Punisher田中

デューン 砂の惑星PART2のPunisher田中のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.9
ハルコンネン家の侵略によって、住まう場所を追われたポール達。
逃げる先で出会った砂漠の民・フレメンと共に共同生活を送るポールだったが、フレメンの長であるスティンガーがハルコンネン家に反発意識を持っていることからハルコンネンへの復讐の念をより一層強める...

なんと!MOVIE WALKER様よりご招待いただき、2/28にIMAX最速試写会にて鑑賞させていただきました...!!ありがてぇ...ありがてぇ...

全編通してただただ、圧巻の一言。
壮大過ぎる世界での宇宙の運命を左右する復讐譚には上映後に言葉が出ないほど良かった。

PART1での映像美は相も変わらず...どころか、2.3段階もレベルアップしていた!
キューブリックを感じるシンメトリーな構図だったり、陰翳がパッキリと出て綺麗で無機質な画、僕の語彙では言い表せなさすぎる美麗映像の数々。
そして、なんといってもその映像達の持つ圧倒的説得力。
どんな事象もこの映像の前ではなんでも受け入れられてしまう、セリフでのストーリー補完や細かい言葉での小難しい説明なぞ必要とせず、ただただ真摯に撮った映像でひたすら語りかけてくる作品だった。ラスト50分程は気軽に息もできないほどアガった。
そしてPART1では不満に思っていたストーリー進行のテンポが幾らかは改善されているのが嬉しい。
今作はそこそこエンタメに昇華できていた様に感じだが、それでも「ヤッチマエェ〜!」というシーンで会話シーンが差し込まれるため、映像に落とし込む際のテンポを考えて欲しい部分は多々ある。
少し足早なテンポなのと各陣営の話がバラバラに差し込まれるので段々とモンタージュ的な感じもしたし、深く描く部分とそうでない部分の取捨選択がどうにもターゲットの感覚とは合致していない様に感じた。

今作はハッキリ云うと前作の500倍は面白く、映像美とそのストーリーの力強さも凄く良かった。しかし、絶賛すればするほど、題材とヴィルヌーヴの映像で語る手法は幾らか乖離しているのが浮き彫りになった気もする。
どうにもなろう系ヒロイック銀河英雄伝だからだ。
中身がそれなりに軽い気がするのに全体的に荘厳過ぎるトーンだからなかなか盛り上がる所も盛り上がれないしジャンルの特性上、静謐に描く必要が無いと感じる部分も少なくない。
ただこれに関してはヴィルヌーヴ自身の作品という縛りが適応されたことで生じた違和感であり、それ以外の部分では本当にかなり良く出来ている。
その点で云えば、フェイド=ラウサの描き方は見事としか言いようのない。
よくあんな静謐な語り口にあんな破滅的な男を魅力的に描き切れたなと思う、かなり自然に出て来たし、世界観も全く壊れないのに破天荒。最高だった。
その他の世界観の構築だったり、その世界に存在する物や人のデザインは見事に世界へ没入するきっかけを与える役割をきっちりと果たしていた、特にメカデザと衣装。満点以外の何物でも無い。
さらなる風呂敷を広げてしまった今作、キャラクターたちの相関図も相まってなんだかんだ続編を楽しみにしてしまっている。
次は砂漠だけでなく更なる特殊気候の惑星にピントを合わせて欲しい。
ありがとうございました!
PART3、全裸待機しています。