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カッコーの巣の上でのringoのネタバレレビュー・内容・結末

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

これは……重い……。
刑務所での強制労働から逃げるために精神疾患のあるフリをして施設にやってきた、、ってまずそんな事あり得るの??しかもそこでは意見をフルシカトされ、ルールでがんじがらめにして支配下に置かれているたくさんの患者達。時代なんでしょうが本当にありえない…患者と対話しているようでなんら彼らの声をきこうとしていない婦長。なんでマクマーフィが精神疾患がなさそうとわかったのに「ここで治しましょう」なのか。患者なんて自分の一声でなんとでもなるとでも思ってるかのような絶対的な権力。こわい。。。

言うこと聞かないで脳に電流流されるシーンマジで怖かった。

マクマーフィが死んだ時より、虚ろな目で帰ってきて額に傷(ロボトミーされた)跡を見た時が1番悲しかったな。その人らしさを奪って廃人にしてなにが治療なのか。
チーフが語りかけても沈黙してリアクションがなかった時「ああああ早く演技だよって、冗談だよって笑ってよおお!」と絶望感ハンパない。

思い出したビリーが自殺したのもマジで絶望した。やっと勇気を出して好きな女の子と一晩過ごして、吃音も治りかけたのに、、、

ラスト10分の畳み掛けは、こんなに深く人を絶望させるこの映画すげえな、なんだけど、チーフのラストシーンは名作と呼ばれる素晴らしいクオリティ。この苦しい世界からの脱却の爽快感、大好きなグザヴィエドランの「mommy」を思い出した。ただ前半がどうも長くて説明ぽいというかだらけちゃったのでちょいマイナス!でも見終わった後もあのラスト10分が頭にこびりついてる。
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